HIKARU FUJII 藤井光 美術家/映画監督

No.68 2011-06-23

 

大惨事や事故は、隠されたものを、発見するという意味で一つの発明であ
る(ポール・ヴィリリオ)。被災地となった東北は、戦中と戦後の東京市
場の膨張、食糧増産政策によって、熱帯原産である米が移植され「米どこ
ろ」として書き換えられている。コメが減反に転じ、過疎化が進んだ高度
成長期末期には、原発と交付金が誘致され、東北は電力供給地として開拓
されるようになったと言われる。原発推進派を当選させたた東京都知事選
のすぐ後、私は福島にいた。そこで知り会った人々の東京に対して敵対の
感情を忘れることが出来ない。それと同時に、震災以前から東北の美術関
係者が地域主権を強く訴えていた記憶が蘇る。復興とは、一度衰えたもの
が再び勢いを取り戻すという意味ならば、21世紀のグローバル経済の中で、
過疎化という問題を抱える東北への打撃は計り知れない。その再生は、ベ
ンヤミンが言うように「あるべきであった過去が未来によみがえる可能性」
を丁寧に読み解くことなのかもしれない。

3.11以降、これまで、自分の考えを反証することもなく、何度も被災地を
訪れ、目の前の出来事に対応しながら3ヶ月が経過してしまった。ここで
は、震災直後のこともあって告知ができなかった映像祭(監修:藤井光)
について記載しておく。

……………………………………………………………………………………………………………………

自分たちのメディアを創る映像祭

これまでの映像メディアは、テレビや映画などの公共性の高いマスコミュ
ニケーションか、ホームビデオに代表されるプライベートな記録という両
極に存在していました。しかし、インターネットなどの通信技術の発展に
より新しいし社会性が生まれ、その中間のいわば「セミパブリック」と呼
ばれる領域で、活発な表現や交流が生まれはじめています。「自分たちの
メディアを作る映像祭」は、パブリックからプライベートへいたる多様な
領域で、これからのコミュニケーションを生み出す”文房具としての映像メ
ディア”の可能性を示していきます。

【日時】2011年3 月26 日-27 日 13:00 – 19:00
【会場】山口情報芸術センター(YCAM)

【主催】財団法人山口市文化振興財団
【後援】山口市、山口市教育委員会
【企画制作】coom(creating our own media)
【運営】山口情報芸術センター(YCAM)

http://coom.jp/

企画・運営する「coom(creationg our own media)」とは、「meet the
artist 2010」に参加しているアーティストの藤井光と市民コラボレーター、
そして文化施設(YCAM)の三者協働のグループです。約1年にわたり、
映像制作の 研修や一般向けワークショップイベントの開催などを通じて、
市民の手に開かれつつある映像メディアについて考え、実践をおこなって
きました。

http://blog.ycam.jp/education/2010/05/post-78.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

コメントは受け付けていません。

お問い合わせ:contact@hikarufujii.com